2018/03/13

カテゴリー: 作品, 作品解説
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『明日はきっと晴れますように』あとがきのようなもの

 
オリジナルストーリー『明日はきっと晴れますように』のあとがきのような話です。
 
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どうかあなたが、少しでも優しい夜明けを迎えられますように。
 
周囲に馴染むことができず、耳を塞ぐ毎日を送る明日香。
誰からも相手にされず、一人で雨とともに生きる朔乃。
ある喫茶店の〝交換日記〟をきっかけに、二人の空が変わり始める。
 
これは、日陰に生きてきた二人の少女が、雨上がりの道を歩き出すまでの物語。
 
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小説はこちら
【小説】『明日はきっと晴れますように』
 
『明日はきっと晴れますように』小説全文(縦書きpdf)
 
 
サムネイル画像
 
asuhare-picture
【イラスト】『明日はきっと晴れますように』
 
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少しでいいから、前に進む勇気をもてるように。
もう少しだけ、生きていてもいいかなって思えるように。
そんな作品です。
 
この小説を書き上げたのは、2017年の5月のことでした。
当時の僕に書ける精一杯のものを詰め込んだつもりです。
あのときの僕だから書けた作品になったかなと思います。
 
読んでいただけたら幸いです。
 
 
念のため書いておきますが、この作品はフィクションです。
実際の人物・団体・事件・天気等とは一切関係ありません。
 
小説はこちら
【小説】『明日はきっと晴れますように』
 
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2017年5月初旬にこの話ができあがりましたが、「こんな感じの話を書きたいな」と最初に思ったのはそれよりさらに1年ほど前だったと思います(そして最終的には「こんな感じの話」とはだいぶ離れたものになったと思います)。
 
最初はラジオドラマという形にしようと思ったのですが、いろいろ考えていくうちに、この話は小説という形式にするのが適しているのではないか、という考えに至り、このような形としました。
 
小説ということで、一人で作れる分、他人の演技という力を借りることができないし、効果音でごまかすこともできない。
この作品は少し後ろ向きな女の子二人のお話なので、描写に神経を使いました(もっと明るかったり、性格が正反対の二人だったりしたらもう少し書きやすかったかもしれないですね……)。
 
ただでさえ小説なんてまともに書いたことのない僕は、これでいいのだろうかと悩むことも多々ありました。
 
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僕はこれまで、将来とか人生とか、そういうことを深く考えないままに生きてきました。
 
まわりに合わせて高校を受験し、将来のことを考える時間もないまま大学に入り、この先の人生について何も見据えずに就職活動をし、ストレートで大学卒業、そして就職までいきました。
結果的になんとかなってしまっていたので、そういうことを考える必要がなかったんです。
 
しかし2015年、社会人1年目の12月、僕は精神疾患が理由で退職することとなりました。
ここまで生き急いできたツケが回ってきたような気がしました。
 
それから1年間、就職活動をしてもうまくいかず、転職が決まっても長く続かず、という日々が続きました。
この世界の生きづらさとか狭苦しさみたいなものが、徐々に実感として沸いてきました。
 
自分はつくづく社会不適合者だなぁと思ったし、この1年で社会とはずいぶん仲が悪くなった気がします。
今振り返ってみると、特に2016年10月~2017年1月あたりは、精神状態がどん底だったと思います。
 
そして2月に差しかかった頃、何もかもどうでもいいやと、投げやりな気分になりました。
しかし同時に、ある意味吹っ切れたのです。
 
そのとき、僕の中で長いことぼんやりとしていた『明日はきっと晴れますように』という物語の輪郭と、キャラクターの設定が浮かび上がってきました。
 
 
この物語を作り上げなければいけないと思ったのです。
 
 
過去は変えられません。
ですが、その過去をどう感じるか、どう向き合うか、どう捉えるか、どういう意味をもたせるか、そういったことは変えることができます。
 
『明日はきっと晴れますように』は、僕自身が前に進みたくて作った話でもあります。
 
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さて、そろそろネタバレ注意報を出しておきましょう。
 
 
 
 

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※※※ 以下、ネタバレを含みます ※※※
 
 
 
 
以下の内容は、作品をすべてご覧になってから読むことをおすすめします。
 
 
小説はこちら
【小説】『明日はきっと晴れますように』
 
 
 
 
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文中、場面の切り替わりの行間で書かれている「○」「◎」「●」の記号は、天気記号を表しています。
 
晴れの場面なら「○」、曇りの場面なら「◎」、雨の場面なら「●」です。
天気が描かれていない部分は「※」を使っています。
 
「日記」と「天気」が一つのモチーフとして使われているので、こういう演出もいいかなと思ったのですが、いかがでしたでしょうか。
 
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一昨年の7月頃だったと思います。
「藍井エイル、デビュー日と同じ10月19日にベストアルバムをリリース」というニュースが発表されました。
 
藍井エイルさんは、2011年10月19日にデビューシングルをリリースしました。
そして、そのちょうど5年後の2016年10月19日にベストアルバムを出しました。
 
現在日本では、CDが発売されるのは原則水曜日です。
2011年10月19日、2016年10月19日はどちらも水曜日でした。
もしや、と思いカレンダーを調べてみると、2011年3月1日~2012年2月28日と2016年3月1日~2017年2月28日は、日付と曜日が一致していたのです。
(実際、2011年の9月7日と2016年の9月7日はどちらも水曜日ですし、2011年の12月15日と2016年の12月15日はどちらも木曜日です)
 
日付と曜日しか書いていなければ、5年前とまったく同じに見える日がある。
このあたりから「過去と現在の交換日記」というアイデアを思いつきました。
そして、これを物語の核にしようと思いました。
 
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そして僕は同年、ある一人のアーティストを知りました。
酸欠少女さユりさんです。
 
ポンチョにアコギというスタイルで弾き語りをする”2.5次元パラレルシンガーソングライター”です。
繊細かつ独特な感性から紡がれる歌詞、魂に響いてくるような歌声、力強いアコギの演奏、さらにライブやMVでは、映像を用いて独特の世界を描き出します。
 
『明日はきっと晴れますように』に登場する朔乃というキャラクターは、さユりさんをイメージして描いていきました。
 
作中で明日香が述べている朔乃の歌に対する感想は、僕が初めてさユりさんの歌を聴いたときに抱いた感想とだいたい一致しています。
ちなみに、作中の朔乃のデビュー日である2015年8月26日は、さユりさんのメジャーデビューがこの日であることから選びました。
 
初めてさユりさんのライブを見たとき、僕は生きるヒントをもらえたような気がしました。
作中、特に朔乃の言葉は、さユりさんの書いた歌詞や、ライブMC、インタビュー記事などをかなり参考にしました。
ただ、終盤のモノローグやライブシーンは、さユりさんだけでなく、僕がこれまでライブで見てきたアーティストすべてが言葉を与えてくれたような気がします。

余談ですが、さユりさんのデビュー曲が『ミカヅキ』なので、それにちなんで月が出てくるシーンを入れたかったのですが、作中のどこに挿入するにも合わないと思ったのでカットしました。
そのシーンが こちら です。
さユりさんの『ミカヅキ』と、藍井エイルさんの『frozen eyez』という曲からイメージして書きました。
なみに、この文中の「彼女」は、明日香と朔乃のどちらともとれるように書いたつもりです。

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さて、『明日はきっと晴れますように』作品内で登場する固有名詞の話をしようと思います。
 
 
まず、登場人物の名前について。
 
交換日記をする二人の名前は、対比を感じさせるような名前にしたかったんです。
明日香は「明日」、朔乃は「昨」から連想しました。
 
明日香の「鈴木」という名字は、この作品を当初はラジオドラマにしようと思っていたと先述しましたが、そのときに明日香役をお願いしようと考えていた人の名字が「鈴木」だったところからきています。
ちなみに、さユりさんがデビュー前「あすか」という名前で活動していたそうですが、これは偶然です。狙ったわけではないです。
 
朔乃の「柊」という名字は、さユりさんが以前「来世は『柊』という名字になりたい」とテレビで話していたことがあったので、そこからとりました。
 
『あまやどり』のマスターには、僕の頭の中では当初「雨男」という名前がついていました。
ですが最終的に作中で名前は登場しないこととなりました(名前の通り「雨の日にしか現れない」みたいな設定も考えていたのですが、それもなくなりました)。
 
この人については、“どこか非現実的な存在”という雰囲気が出るような描写を心がけたつもりです。
 
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いつだったか正確にはもう覚えていませんが、あるときふっと、明日香、朔乃、雨男という3人のキャラクターが浮かんできました(当初は名前は決まっていなかったと思います)。
 
この3人は、僕の頭の中で、あるいは紙の上で、幾度となく姿を変えていきました。
明日香が中学生や大学生だったり、朔乃が明日香より年上だったり、雨男が黒ずくめの謎の男だったり(謎の男というのは変わっていませんが)。
 
ノートを手渡されるのが公園だったり古本屋だったりする案もありました。
明日香が未来予知の能力を雨男から与えられる、みたい話になっていたこともあった気がします(このあたりはもはやほとんど覚えていません)。
 
 
また、作中、篠月橋(しのつきばし)という橋が登場します(もちろん架空の橋です)。
これは「大粒で激しく降る雨」を意味する「篠突く雨(しのつくあめ)」という言葉からきています。
「篠突」ではなく「篠月」としたのは、さユりさんのデビュー曲『ミカヅキ』に由来しています。
 
ちなみに、『あまやどり』という喫茶店(これももちろん架空のお店です)は、仮段階では『レイニーデイ』という名前でした(藍井エイルさんの『レイニーデイ』という曲に由来しています)。
「あまやどり」という言葉は直感的にひらめいたのですが、よりシンプルかつふさわしい名前になったのではないかと思っています。
 
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続いて、作品タイトルについて。
 
『明日はきっと晴れますように』というタイトルだけは、ずいぶん前から決めていました。
 
天気をモチーフにした作品にしたかったというのがまずありました。
 
家入レオさんの曲で『明日また晴れますように』という曲があるのですが、こんな感じのタイトルにしたいと思っていました。
同じようなニュアンスで語呂がよく印象に残りやすそうなものにしようと思い、『明日はきっと晴れますように』というタイトルになりました。
 
タイトルだけ先に決めて、どういうふうに物語を展開させるか、どういう結末にもっていくか、などは長いこと試行錯誤しました。
考えているうちに僕の中でもいろいろあり、最終的にこのような形になりました。
 
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それから、各章のタイトルについて簡単に。
 
第1章を「雨宿り」、第2章を「雨合羽」にすると決めたあたりで、第10章の「明日はきっと晴れますように」以外は、雨に関する言葉で統一することにしました。
 
【第1章】雨宿り
『あまやどり』という店が出てくるのと、明日香が街に降った雨と心に降った雨から一時的に逃れようとしたところから。
 
【第2章】雨合羽
朔乃視点に切り替わるので、朔乃のポンチョから。朔乃を象徴する章タイトルにしたかった。
 
【第3章】雨雫
朔乃のメッセージと、それに対する明日香の返答を、ぽつぽつとした雨にたとえて。
 
【第4章】雨籠り
明日香がヘッドフォンで耳をふさぐ様子を「雨に降られて籠もる」と表現した。
「雨籠り」は枕詞らしいのだが、ある意味物語の発端ともいえる章なので枕詞というのはちょうどいいかなと。
 
【第5章】秋時雨
断続的に続く二人のやりとりを、降ったりやんだりする雨にたとえた。
「秋」をつけたのは、作中の季節が秋だから。
 
【第6章】こぼれ雨
自分で自分に諦めをつけてしまった明日香の心情と、それによって物語が動き出すさまを、いたずらにこぼれ落ちる雨にたとえた。
 
【第7章】外待ち雨
読みは「ほまちあめ」。局地的な雨の意。
朔乃の心に降りかかった雨と、雨に降られながらも朔乃が明日香を「待っていた」という意味を込めて。
 
【第8章】涙雨
朔乃の悲しみを表す言葉として選んだ。
 
【第9章】雨上がり
〝交換日記〟のギミックが明かされるから。
あと、「夜明け」的なニュアンスがほしかった。
 
【第10章】明日はきっと晴れますように
最後の章は作品名と同じにしたかった。
特に深い理由はなく、なんとなくかっこいいから。
 
(余談ですが、「雨夜の品定め」という章をどこかに入れたかったのですが、どの章にも合わなかったので断念しました)
 
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
 
この世界が息苦しいと感じているあなたへ。
前に進みたいあなたへ。
 
恐怖も、葛藤も、後悔も、いつかこれでよかったんじゃないかって思える日が来る。
そんな希望を、この物語に込めました。

 
 
それでは、今回はこのあたりで。

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