(初出:2017年4月7日)
4月になり、早いもので1週間。
進級、進学、就職などで、環境が変わった人も多いかと思います。
僕のまわりでは、大学院を修了した友人や、1個下、2個下の後輩が新社会人となっていきました。
社会人1日目にして心が折れそうだとか、入社早々残業を何時間しただとか、帰ったらお風呂に入って寝るしかできないだとか、なかなか大変そうな日々を送っているようです。
お疲れ様です。
一方で、ある社会人の先輩がこんなことを言っていました。
「この時期は新入社員を見て『堕ちろ… 早く絶望しろ…』と思ってる」
わかります。
実際、僕も去年はそんなことを考えていました。
1年前の今頃は、会社を正式に退職することになって3カ月あまり。
再就職に向けて動いてはみるものの、なかなかうまくいかない。
そんな日々が続いている中、新たに社会に出ていく人たちを見ていました。
正直なところ、呪いたくもなりました。
新社会人に「おめでとう」と言いながら、内心では「精神を病んでしまえばいいのに」とか「僕みたいに1年目で辞めてしまえばいいのに」とか、そんなことを考えていたこともありました。
ですが、僕の中でもいろいろ心境の変化があったようで、少し考えが変わりました。
呪っても誰も幸せにならないと思うのです。
きっと僕に呪われた人は、次の世代の人を呪うでしょう。次の人はまたその次の人を…… というスパイラルになるような気がします。
僕も新入社員という立場だったころ、上司や先輩に同じようなことを思われていたかもしれません。
だから僕は、呪うことをやめました。
体を壊してまで働けとか、無理をしてでも続けろとか、そういうことを言いたいのではありません。
もしかしたら、この春社会人になった人の中にも、仕事を辞めたくなったり、僕のようなケースで実際に仕事を辞めることになる人が出てくるかもしれません。
そういったときに「ざまあみろ」などと思っていては、やっぱりその人がかわいそうですし、僕自身、過去の自分を否定することにもなるのではないかと気づきました。
少なくとも、あのときの自分は、そんなふうに思われることを望んではいなかったはずです。
つらかったら、休んでもいい。投げ出してもいい。
辞めてもなんとかなると、逃げることも必要だと、かつての僕はそういうことを言ってほしかったんだと思います。
世間には、「会社を辞めてもなんとかやっていける」「生きていることがいちばん大切だ」などというメッセージが飛び交っています。
ですが、新卒で入った会社を退職して1年3カ月ほどが過ぎた今でも、僕はまだそういうことを実感できないでいます。
だから、いつか自分が、そういったことを自信をもって言えるようになりたいと思うようになりました。
会社を辞めても、人生なんとかなること。道はたくさんあるということ。
それを身をもって証明することが、僕にできることであり、僕がしなければならないことなのかな、と思います。
最後に。
少し蛇足のような話にもなりますが。
僕は昔から、「心に雨が降っている」と思うことがよくありました。
怒られているとき、うまくいかないとき、何もできないとき、自分だけがみじめな思いをしているとき。
自分以外には太陽が当たっているのに、自分にだけは雨が降っている。
そんな気持ちになるのです。
弱さを責めないで。
逃げることを否定しないで。
心に雨を降らせている人が、ほんの少しでも雨宿りできるような、そんな安らぎを与えられたらいいな。
そんなことを今の僕は考えています。
それでは、今回はこのあたりで。
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