【絵空事】逆承認欲求

 
「他人に優しくしましょう。そうすれば、いつか自分に返ってきますよ」
小さい頃、私はそう教わった。
 
 
私の優しさは、いつからか打算的になっていた。
 
自分が優しくされたいがために他人に優しくする。
優しいふりをしているだけで全然相手のためを思ってはいない、そんな偽善。
 
 
日々の生活にSNSが欠かせない昨今、〝いいね〟の数はいつからか、一種のステータスとなっていた。
 
どれだけ〝いいね〟をもらえるかが、その人に対する承認、信用、共感、人望、そういったものを暗に示している。
そんな世の中だ。
 
 
そんな社会で、私は最底辺にいる。
 
 
私はおいしいご飯の写真とかきれいな景色の写真とかをアップしても、一つも〝いいね〟はもらえない。
あの子の写真には10個も20個も〝いいね〟がつく。
 
あの子の場合は、「おはよう」とか「ねむい」とかそういう全然おもしろくない投稿にも〝いいね〟がついたりする。
私が同じ内容の投稿をしたら、まあ誰も見ないだろう。
 
 
この差は一体何なのだろう。
 
有名人だからとかそんな理由じゃない。
顔がいいからとかいうわけでも、たぶんない。
リアルだと学校で全然目立たないようなタイプの人でも、ネットでは大人気だったりする。
 
 
きっと私と彼らでは、生まれもった何かが違うのだ。
 
「言うことを聞いてもらえる力」
「信頼を得る能力」
「世間と噛み合う感性」
 
生まれつき「人を引きつける才能」みたいなものが備わっている人と、そうじゃない人がいるんだろう。
 
 
「生まれもった何か」が違う人は、一つめとか二つめくらいの投稿から、なぜか〝いいね〟がたくさん来て、たちまち拡散される。
投稿数が少なくても、バカみたいにフォロワーがついたりする。
 
「人気を集める発信のしかた」みたいなものを調べてみたことがあるけど、そんなものガン無視でも認められる人は認められるし、そうじゃない人は何をやっても見向きもされない。
 
 
片や自分の好きなことを好きなように発信して、それで多くの人から認めてもらえる。
片やマニュアル通りにやってもダメで、まして自分のやりたいようにやろうものなら無価値なゴミを量産するだけ。
 
 
認められたい。
だからせめて、私は。
 
あなたを認めてあげるんだから、私のことも認めてよ。
 
私はこれを「逆承認欲求」と呼んでいる。
 
 
私の〝いいね〟の数は、相手への評価とか共感なんかじゃない。
自分が〝いいね〟と思ってもらいたい気持ちの大きさだ。
 
 
認めてほしいから認めてあげる。
いつか自分に返ってくると信じて。
 
 
今日も私は、ハートマークをタップする。
 
 

カテゴリー:ネタのタネ, 作品, 絵空事
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